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> ターニングポイント 〜ラグビー人生の転機〜
第2回目のターニングポイントは、FB森田啓介選手です。小学校1年生のとき、プロ野球選手になるための体力作りがきっかけで草ヶ江ヤングラガーズに入り、ラグビーを始めました。筑紫丘高校、福岡大学を経て、九州電力に入社した森田選手のラグビー人生における転機はいつ、そしてどのような転機だったのでしょうか…。
そもそもラグビーを始めたきっかけはプロ野球選手になりたいという、あくまで野球をするための体力作りという理由からでした…。(苦笑)両親との約束で、“小学校の間はラグビーで身体作りをし、中学校からリトルリーグに入る”と、そこまで約束をしていたんです。そんなこんなで草ヶ江ヤングラガーズに入部したものの、まだ私たちが幼い頃は、どんなスポーツ活動においても、年齢関係なしに、ひたすら鍛え抜くという結構スパルタの時代だったので、入部したら、基本的に辞めるということが許されません。小学校の6年間は、ラグビー=地獄というくらいきつくて、辛くて、ほとんど楽しい思い出が無いんです。今でこそこんな風に笑って話せることですけどね。(笑)
小学校を卒業しても、幼稚園生時代から抱いていた“プロ野球選手”という夢はまだ健在で、中学生になったのと同時に、ラグビーは続けながらも、リトルリーグへ入部しました。ですが…、実を言うと、たったの2週間で野球を辞めてしまったんです。(笑)
ここで、幼いながらも野球にはないラグビーの良さ、面白さを知りましたね。ラグビーは、仲間同士で身体をぶつけ合うスポーツで、ぶつかり合うことでお互いを理解できるというか、認め合えるというか、そういう魅力があります。団体競技で互いに身体をぶつけ合えるスポーツは少ないですし、野球にはその要素がなかったので、僕の中では物足りなさを感じていたのかもしれません。
しかし、このことは、野球を実際にしてみてわかったことですから、野球に触れる程度であっても後悔はしていませんし、夢を与えてくれた野球に感謝しています。
あんなに嫌々言っていたラグビーも中学3年間の間に少しずつ楽しくなり、筑紫丘高校に入学してもラグビーは続け、“好きだなぁ。ずっと続けて行くんだろうなぁ。”と思うようになりましたね。
高校時代の恩師である筑紫丘高校ラグビー部監督の藤山先生との出会いは私自身に与えた影響が大きく、特に藤山先生のラグビーへの取り組み方がとても好きでした。当時、ウエイトトレーニングに取り組む高校は少ない中、週3回きっちりとウエイトをし、様々な方面から新しいトレーニングを聞いては、それを実行に移し、飽きさせない、そして先を見越したトレーニングを組んでくれていました。
また、高校時代、SOを除く、NO.8〜FBのポジション全てを経験させてもらいました。ポジションを色々経験すると、他のポジションの気持ちが分かり、また違った視点でそれぞれのポジションのことが見えるので、“こうしてほしい”というそれぞれのポジションの気持ちがわかり、考え方や視野が広がるというメリットがあります。このおかげで、今でもWTB、CTB、FBができますし、1つのポジションにこだわりを持つこともなく楽しめるのは、ここが原点です。
藤山先生は非常に熱いハートを持った先生で、よく私たちに熱い言葉を贈ってくれました。ほぼ、先生が個人的に持っていた何かの「名言集」からの受け売りという噂もありますが…。(笑)
ただ、その中でも特に記憶に残っている言葉が、「一瞬にして永遠」。“今をしっかりと生き、試合でも練習でも、全力で臨み、一瞬一瞬を大切にしてほしい、成功するも失敗するもその一瞬一瞬で決まる”とその一言に込められたメッセージが今も胸に強く残っています。
藤山先生は、私のラグビー人生を語るには欠かせない存在ですね。今でも毎年お正月に先生の家にOBメンバーでお邪魔しています。相変わらず熱い先生ですが…。(笑)
あの試合のことは今でも鮮明に覚えています。孝太(黒木)の先制トライ、圭吾(今村)のとった3つ目のトライ、昇格を決定づけたジャガー(松本)のトライ。特にその3トライは、そのまま目に焼き付いています。
メンバーに入れなかった私は、この試合を機に意識が大きく変わりました。試合に勝ったこと、昇格を決めたことは本当に嬉しかったんですが、それと同じくらい悔しくてたまりませんでした。単純に嬉しいだけではチームに必要ないし、もっと必要とされなくてはなりません。ただ、外で見ている自分がとても悔しくて、あの舞台に立ちたいと思いました。たぶん、このことは一生悔しいですね。“何で俺が出られないんだ?”という気持ちではなく、言葉に表せない複雑な悔しさがありました。
今、ラグビーを続けている理由はこの1つです。チームや、よく試合に出ている選手とは目標が違うのですが、“まず、トップリーグに1試合出たい!”それを実現させたくて、頑張っています。もう駄目か?と弱気になったこともありましたが、叶わないと無念で終わると思うと、なおさら諦めたくなくて…。もっと頑張っておけば良かったと思うたびに、諦めたくなくて…。「トップリーグ出場」。それが、今一番の目標ですね。
森田啓介を一言で表現すると「華」です。ルックス、プレースタイルから私は勝手にそうイメージしていました。彼は1年生から11番(WTB)で活躍しました。大事な場面ではいつも華のあるプレーを魅せてくれました。決勝の博多の森。バックスタンド前を快走する姿は今もこの目に焼き付いています。
彼には「華を忘れるな!」と言い続けました。またその逆に泥臭いプレー、凌ぎの大切さを強調しました。目には見えない根が張ってこそ、茎は伸び、葉は茂り、美しい花が咲く。そして夢に結実する。根のないところに花は咲きません。彼にとって必要だと感じたことは「今・ここ」時を捉えて言葉にしました。言葉が浮かないように大切に伝えました。
3年間、共に花園を求めて真剣に生き抜きました。だからこそ、12年経った今でも私との出会いを大切にしてくれているのでしょう。ターニングポイントとはそれぞれのセレンディピティー。全力で生きてこそ気付ける。掴み取れるものなのでしょう。彼が自ら獲得した青春の宝です。私にとっても宝物です。彼との出会いに心から感謝します。ありがとう!
トップリーグ出場を心から祈念しております。刻一刻に精魂込めて!さらに泥臭くひたむきに!人生は一瞬にして永遠!貴男の「華」を失わず楕円球を追い続けて下さい。
以上、森田選手のターニングポイントは、いかがでしたか?
心にある悔しさを嘘偽りなく、転機と捉えて話してくれた森田選手は、インタビューの最後に自信を持って、「今が一番、ラグビーが好きですね!」と言いました。今シーズン、トップリーグの舞台に立つことができたら、その時がまた森田選手のターニングポイントになることでしょう。
さて、次の「ターニングポイント」は、どの選手に?!?次回をお楽しみに☆
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