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シーズン最終戦となったヤマハ発動機ジュビロ戦のピックアッププレーヤーは川嵜拓生選手です。ケガから復帰した昨年夏以降は公式戦、オープン戦共に全試合出場を果たし、身を挺してチームを支えました。そんな川嵜選手にヤマハ戦、そして今シーズンを振り返ってもらいました! |
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●勝てばトップリーグ、負ければトップキュウシュウに残留、というまさに一発勝負だったヤマハ戦。いっときも目を離せない、まさに激闘といえる80分間でした。試合を終えた感想を聞かせてください。
チームとして、やればできるという自信を取り戻した80分間だったのではないでしょうか。
悔しさもあるけど、あの状況の中でよくやったと思います。
●試合が始まる前からチームの雰囲気や一体感が、前戦までとは明らかに違いました。試合に対する意気込み、気持ちの面での変化はありましたか?
試合に向けて、常に同じように準備することも大切ですが、プレーオフにはプレーオフの臨み方があったと思います。
トップチャレンジの3試合はリーグ戦の延長のような形で迎えてしまい、絶対に勝たなければいけないという意識が足りなかったのではないかと思います。トップチャレンジはとにかく1戦目が重要で、1戦目で勝てばトップリーグに上がれるというくらいの覚悟で臨まなければいけなかったのですが、3試合あるうちの1試合目という入り方をしてしまい、結果的に点差が開くと修正がきかなくなってしまいました。今回のヤマハ戦は一発勝負ということで、気持ちがコントロールしやすい面はありました。
●チームのパフォーマンスにおいて、トップチャレンジの3戦から具体的に改善されたのはどのような点ですか?
一番は、組織ディフェンスが改善されました。これはこの試合での大きな成果だと思います。
チームとしてディフェンスでするべきことがシンプルに意識統一されたことで、試合中のコミュニケーションが取りやすくなりました。またシンプルなディフェンスの柱ができたことで、そこを基準に組織的なディフェンスが機能するようになりました。
●応援団をはじめファンの皆さまのご声援、そしてスタンドで見守る選手たちからも絶え間なくチームを鼓舞する声がかけられていましたが、グラウンドの選手たちには届いていましたか?
全部ではないでしょうけど、もちろん聞こえていました。特にスタンドの選手たちの雰囲気というのはチームの雰囲気がそのままに出るもので、相手チームの選手席が元気だと嫌だし、プレッシャーを感じます。そういった意味で、今回はスタンドにいる選手の雰囲気が、相手チームにプレッシャーを与えていたと思います。 |
●後半終盤には怒涛の追い上げを見せ、ラストプレーを知らせるホーンが鳴っても勝利を信じて最後まで攻め続けました。それでも手が届かなかった勝利、ノーサイドとなった瞬間はどんな気持ちでしたか?
負けたというよりも、勝てなかったなという気持ちでした。
自分たちの足りないところもあり、あれだけやって勝てなかったというより、やはり自分たちの足りなさを感じました。
●チームとしてはほぼベストメンバーで臨めた試合だったと思います。それでも及ばなかった2点の点差。勝敗を分けたものはなんだったのでしょうか。実際に対戦してみて、力の差は感じましたか?
ベストメンバーというとすごく個人的な問題になってしまいますが、チームとしていい状態で臨めた試合だったと思います。
ただ、結果勝てなかったことを考えると、ベターどまりかなとも思います。
試合中は点差も僅差であり、力の差はそんなに感じませんでした。九電が勝ってもおかしくないと思える試合でした。トップリーグでも点を取っているヤマハに対して、ロースコアの試合展開は、九電の得意な土俵にヤマハを引き込んだ理想的な展開でした。ただその得意な土俵の上でも勝てなかったということは、大きな問題だと思います。
私は九電というチームの基本はディフェンスにあると思っていますが、そのディフェンスに対してチームとして突き詰めるべきところを突き詰められなかったこと、精度の低さがこのような試合展開でも勝てなかった原因だと思います。
●ケガによる約半年間に及ぶハードなリハビリから復帰した昨年の夏以降、公式戦、オープン戦の全試合に出場した川嵜選手。試合というチームの集大成が試される場所に立ち続け、肌でチームの成長、または浮き沈みを感じたと思います。今シーズンはチームにとって、そして川嵜選手にとってどんなシーズンでしたか?
チームとしては、好不調の波が激しいシーズンだったと思います。チームのビジョンをフィールドで実行できるほどに一人一人に落としこめていないところがあり、チームの共通認識に大きな幅というか、ブレのようなものがあり、そのブレが、その時々の結果にも表れてしまったんだと思います。
個人としては、チームのブレに対して効果的な行動がとれず、全体を通してとても難しいシーズンでした。
●シーズンを通して声援を送り続けてくださったファンの皆さまにメッセージをお願いします!
今シーズンは、復帰することが一つの目標であり、ケガをしたあとも声をかけていただいたり、元気づけていただいた皆さまに、グラウンドでプレーする姿をお見せできたことは、私にとっても嬉しいことでした。しかし、その先にあったトップリーグ再昇格という目標を果たせなかったことは、大変申し訳なく思っています。
今シーズンも、チームに対して常に温かい声援をいただき本当にありがとうございました。 |
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