2009年8月30日(日)の日記


 開幕1週間前。
 様々な思いを抱き、今選手日記を書いている。やってやろうという気持ち、楽しみな気持ち、開幕が待ち遠しい気持ち、そして不安、おそれ。

 不安・おそれの持つイメージは、一般的にマイナスのイメージが強い。しかし、不安・おそれを持つ、ということは何か事をなす上で、とても重要な要素になると思う。
 不安・おそれを持つと、常に最悪の事態を想定することができる。最悪の事態を想定できない人物は、何か不測の事態が起きた時に、瞬時に対応することができない。何か事をなす上で、どういうケースにも対応できるよう、いくつも引出しを持っているということが大切である。

 ただ、不安・おそれを持っているだけでそれに対して何も対処しないのでは意味がない。不安・おそれに対し、それをイメージし、それに対してどう行動するか事前に自分で考えなければならない。
 “99%の自信と1%の不安”というのが大切である。

 では、今のキューデンヴォルテクスはどうだろうか。“99%の自信と1%の不安”とはまだ言い切れないだろう。もっと自信を持たなければならない。自信は不安を消すことによって生まれる。不安を消すには日々の練習しかない。練習を繰り返し、少しずつ不安を自信に変えていく。だが、それは一朝一夕にできるものではない。

 では、この開幕1週間前にこんな話をしても意味はないんじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。不安を自信に変える方法はもう一つある。今までの自分を信じる、自分のやってきたことを信じる、そして自分達(仲間)を信じる。今まで自分がやってきた練習、自分達がやろうとしているラグビー、そして周りの仲間を信じる。そうすることによって不安を自信に変えられる気がする。

 開幕までの1週間。自分を信じよう。自分達のラグビーを信じよう。仲間を信じよう。自分達がやってきたラグビーをすることができれば、誰が試合に出ようと負けることはない。必ず勝てる。誰が試合に出ても、今まで一緒に同じラグビーをやってきた仲間なんだから必ず同じ結果がついてくる。自分達がやってきたラグビーはそういうラグビーだと信じよう。

 残り1週間。自信を99%に近づけられるよう明日からの最後の1週間、自分達のやってきたこと、自分達のラグビーを信じよう。

―――この日記を書いている時、衆院選の結果が出た。麻生さんをはじめ、自民党のみなさんは選挙前から自信がなかったと思う。自分を、自分のやってきたことを、自分達を信じることができていなかったような気がする。まあ、その結果じゃないでしょうが。

さあ、明日からまた頑張ろう。


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