“本気!!”をチームスローガンに掲げ、始まったヴォルテクスの2011−2012シーズン。“スコアラグビー”を新たなスタイルとして、一戦一戦をトップリーグ昇格のために戦おうと春シーズンに挑みました。現在のチームの状況、そしてこれから目指すヴィジョンについて平田監督に聞きました。

春シーズンは結果にこだわらず、チームの目指すラグビーの基礎固めと位置付け、積極的なチャレンジを選手たちに求めてきました。春シーズンを通しての感想や手ごたえを教えてください。

今シーズンは自分たちのラグビースタイル、そしてラグビーに取り組む姿勢から変えていこうとシーズンが始まりました。ラグビーに取り組む姿勢に関しては、選手たちが自主的に考え、前向きに取り組み、厳しさの中にも明るさや楽しさ、一体感を失わずにできたことは大きな収穫です。
ラグビースタイルは、ディフェンシブなイメージから脱却してトライを取ることにこだわり、それが勝ちに繋がるスコアラグビーを掲げてやってきました。そういうラグビーこそがヴォルテクスが勝つために必要なスタイルであり、選手も成長と充実を感じることができる。日々の練習や試合で成長と充実を感じることができれば、いかなる課題に対しても前向きに取り組め、成長し続けることができる。今シーズンは、新しいことに取り組んでいるので例年よりハードなうえに、練習時間が長くなることも多くありましたが、選手たちの変わるんだという強い意志のおかげで満足できる練習ができたと思っています。
課題はたくさんありますが、トライを取ることが勝ちに繋がる、トライを取るためにすべてのプレーを攻撃的かつ継続的に行うという形が結果となって表れたことが一番の収穫で、勝って終われたことでチーム全体として、夏に向けて前向きに課題修正に取り組め、また強くなることができるなとワクワクしています。



練習前、選手たちに話をする平田監督

春シーズンの最後に成長の著しかった選手としてPR池田、PR小野田、HOジョシュ、LO浦、WTB吉永が選ばれました。特にどのような点での成長が見られましたか。

何事に関しても“やり続けること”、それができることを大事にしています。練習をやり続け、モチベーションを高くラグビーに取り組み続けること。そして試合に出続ける、そういう選手がいい選手であり、そういう選手の多いチームが強くなる。今年は試合に出るにはやり続けることが大事だと、選手たちにも伝えてきました。やり続けるにはケガなども関係し、非常に難しいことだと思いますが、一人でも多くの選手がそこをクリアしていかなければ、今後、個人としてもチームとしてもこれ以上の成長は見込めないと思っています。昨年、勝てなかった要因のひとつに、ケガ人が多く、練習をコントロールしすぎて、チームとして成長できなかったことがあると思っています。
特に成長の大きかった選手としては、若手だけではなく、LO浦は新しいスタイルに自分のプレーの活路を見出し、頭角を現しています。WTB吉永もベテランですが、今年は私が彼を見てきた中で一番充実していて、スコアラグビーを体現してくれている。そういう選手は信頼感が増すし、試合にも使いたいと思います。



浦選手(明治大学戦)

吉永選手(写真中央・福岡サニックス戦)

若手のPR池田、PR小野田に関してはスクラムの成長が著しく、彼らの成長が他のPR陣の成長を促し、春シーズンはPR全体が成長しました。スクラムが安定することで、他のプレーもよくなっていくので夏以降にも期待しています。



トライに笑顔をみせる小野田選手(中央左・福岡サニックス戦)

池田選手(前列手前・東芝戦)

そしてHOジョシュは九電ラグビー部が始まって以来の外国人リーダーですが、リーダーとして日本人以上のリーダーシップとフォロワーシップを発揮してくれています。ジョシュにはシーズンの始めにFLに関してもHOと同じように100%で取り組んでほしい、と私から伝えました。そしてそのオファーに対して期待以上に応えてくれています。彼の努力し続ける姿勢には、本当に頭が下がり、尊敬に値します。
また、ジョシュだけではなく、昨年からバイスキャプテンを務めるSO齊藤も昨年とは違う次元でリーダーシップを発揮するなど、キャプテンの松本をはじめ、リーダー陣の頑張りがチームを引っ張っています。



ジョシュ選手(写真中央・明治大学戦)

どういう基準で試合に出すのかは明確にしているし、やり続けることができる選手が試合に出るのは当然だと思っています。逆にやり続けることができない選手は試合に出すべきじゃないし、出るべきじゃない。今年は練習する選手が伸びるような練習をやっているつもりです。練習をしたい、試合に出たいと思うことがケガへの予防と自己管理にも繋がり、たとえケガをしても最善の努力をし早期復帰を目指す。そういった意味でチームとして競争力も上がってきたと思います。



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