9月24日(日)トップチャレンジリーグ1stステージ第3節の釜石シーウェイブスRFC戦が岩手県の釜石市球技場で開催されました。 TCL第1・2節を圧勝したヴォルテクス。 第3節の対戦相手である「釜石シーウェイブスRFC」は、新日鉄釜石ラグビー部時代に日本選手権7連覇を達成した古豪で、2001年にクラブチーム化した後も、地域に根付いたラグビーチームとして活動を続けています。 現在も、外国人選手が多数在籍し、昨季は三菱重工相模原ダイナボアーズ・日野自動車レッドドルフィンズに次ぐトップイーストリーグ3位でTCLに参戦してきました。 2011年の東日本大震災の被害により釜石市も甚大な被害を受け、ヴォルテクスの宿泊ホテル周辺は建物1階部分全てが津波で浸水したということで、近くの建物では当時の津波の高さが標記されていました。 ラグビーの聖地とも呼ばれている釜石市。街中いたる所にラグビーのPRポスターなどが貼られています。 2019年ラグビーワールドカップでの開催都市にも選ばれており、復興に向けての都市開発や道路整備が進んでいました。
ヴォルテクスは、今季初の遠征、また岩手県釜石市までの長距離移動ということもあり、22日(金)から岩手県北上市に移動。 23日(土)前日練習を岩手県北上市で終え、夕方前に釜石市に入りました。 全ては24日(日)12時からのキックオフのために2日前から準備を進めます。 TCL1stステージは総当りの計7試合。第1〜3節のみ3連戦です。 今シーズン、トップリーグ昇格を果たすには、まずTCLの1stステージで1〜4位に入らなければなりません。 そのためにも、開幕3連戦での3連勝は重要なターゲットと位置付けました。 急遽、中鶴主将が試合出場不可となりますが、リザーブの島選手が12番に、怪我から復帰した松下(彰)選手が22番にメンバー入りしました。
この日の釜石市球技場は晴れ。たまに雲がかかる程度で日差しが強く、人工芝の照り返しによりグラウンド上の体感温度は9月下旬の東北地方とは思えないほど高めです。 コイントスに勝った釜石シーウェイブスRFCは風上のエリアを選択し、ヴォルテクスボールのキックオフで試合が始まりました。
前半3分。風下のヴォルテクスはキックで自陣深くに入り込まれ、釜石ボールのラインアウトから左に展開されるとトライを許し、0対5と先制点を許します。 すぐさま反撃に出るヴォルテクスですが、敵陣深くまで攻め込むも反則でスコアに結びつけることが出来ません。 そして、自陣に入られ、再度反則で自陣ゴール目前の敵ボールラインアウトを攻め込まれ連続トライを許し、0対10とリードを広げられます。
アウェイでのゲームでこれ以上の点差を開かれたくないヴォルテクス。 高井選手・島選手の好タックルで得たマイボールラインアウトからついにヴォルテクスのファーストトライが生まれます。 18分。ラインアウトから左に展開し山田選手が力強く前に出た後、我慢強く攻め続け、児玉選手からのパスに走りこんだ齊藤選手がディフェンスラインの裏に大きく抜け出し、サポートについた磯田選手にパスが渡りトライ。 荒牧選手のゴールキックは惜しくも外れますが、5対10と差を縮めます。
1トライを奪い、本来の動きを取り戻してきたヴォルテクス。 その後も、敵陣深くに攻め込み、今季強化してきたFWがラインアウトモールで相手に執拗にプレッシャーをかけます。 そして相手選手のシンビン(10分間退場)を誘い、26分にはラインアウトからFWがモールを押し込み山田選手がトライ。 児玉選手のゴールキックは外れますが、10対10の同点になります。 その後、3連続トライを狙い自陣から積極的に攻めるヴォルテクスでしたが、反則でリズムに乗れません。 そして36分。釜石ボールのラインアウトから右に展開されヴォルテクスディフェンスラインのギャップをつかれ、ゴール真下にトライを許し10対17とリードを許します。 前半41分にも、自陣に攻め込まれ反則からペナルティゴールを許し、10対20と10点差でハーフタイムに入りました。
TCL3節目で始めて先制点を許し且つリードされたまま後半を迎えるヴォルテクス。 一抹の不安がよぎりますが、1・2節の試合でヴォルテクスが奪ったトライ数は、後半が前半を大きく上回っています。 後半は風上となる優位性を生かし敵陣で試合を進め、後半開始早々から攻撃の時間を増やしていきたいところです。 ヴォルテクスは後半スタートから徳永選手を投入。 狙い通り、後半開始早々から敵陣深くで攻め続けるヴォルテクスは、前半同様、執拗にFW戦にこだわり釜石選手の反則を誘います。 再度シンビンで相手選手が一人少なくなったところで、後半7分にFWがモールを押し込み小原選手がトライ。15対20と差を縮めます。
後半11分には、平田選手・井上選手が交代出場し攻撃のテンポを更に上げたヴォルテクス。何度も何度も釜石陣に迫ります。 後半15分には、途中出場の井上選手が相手ディフェンス網を突破し敵陣22mラインまで攻め込んだボールを、荒牧選手が数名の相手選手をステップで交わしインゴールに飛び込みますがトライにならず。
そして後半22分。キックカウンターから磯田・池田・井上・平田選手が鋭く前に突進し、ゴール前にラックで児玉選手から勢いよく走ってきた小原選手にパスが渡りゴール真下にトライ。荒牧選手のゴールキックも決まり、22対20とついに逆転します。 逆転したものの2点差。また、3トライ差以上のボーナスポイントを得るためにトライを取りに攻めるヴォルテクス。後半20分を過ぎても運動量とアタックスピードは落ちません。 自陣から展開し釜石陣に攻め込みます。しかし、釜石シーウェイブスRFCも簡単にはトライを許してくれません。 2点リードのままスコアを重ねることが出来ない時間が続きます。
そして、試合時間も残り少ない時間帯で、攻め込んだヴォルテクスのミスから釜石に自陣に攻め込まれます。 最後はゴール目前まで攻め込まれますが、デッドゴールラインに蹴り出しノーサイド。 22対20で大接戦を制しました。
試合後は、試合会場に来られたたくさんの釜石シーウェイブスRFCサポーターの皆さまから温かい拍手をいただきました。 試合観戦にお越しいただいた皆さま、釜石市・またサポーターの皆さま、温かい声援ありがとうございました。 この試合、ヴォルテクスは勝ち点4を獲得。 Honda HEAT、日野自動車レッドドルフィンズの勝ち点15に次いで勝ち点14の3位につけています。 第4節は、10月14日(土)マツダブルーズーマーズと九電香椎競技場で対戦します。 次戦も精一杯戦い必ず勝ちますので、引き続き熱い応援をよろしくお願いします。
いつも熱い応援ありがとうございます。今シーズン初の先発で出場しました。センターの島です。 今シーズン初の敵地での試合、予想通り厳しい戦いになりました。 前半は、自分達のミスもあり、うまくスコアに繋げられず、リードを許して折り返すという展開でしたが、後半、リーダーを中心に修正を行い、なんとか逆転して勝つことができました。 今回のような厳しい試合を乗り越えることで、必ずチームは成長していると思います。 次戦は10月14日(土)香椎競技場でマツダブルーズーマーズと対戦します。今回出た課題を克服し、成長した姿をお見せしたいと思いますので、是非会場で熱い応援をよろしくお願いします。