あと一歩及ばず。 9月16日(日)、愛知県瑞穂公園ラグビー場。九州に接近している台風の影響か、風が強く掲揚台に掲げられたトップリーグの旗が強くなびいています。観客のほとんどがトヨタ自動車ヴェルブリッツのファンのため、スタンドはほぼ緑一色。前半、風下に立ったヴォルテクスのキックオフで試合が開始されました。
トップリーグ開幕からのここ2試合、先制点を取られているヴォルテクスは、先に点を取って試合の主導権をにぎりたいところ。しかし開始3分、ディフェンスラインの裏にショートパントを蹴られると、ボールはワンバウンドして走り込んできた相手選手の懐へ入り、そのまま走られトライ。ゴール成功し0−7。あっさり先制点を許し、追う展開になります。 風下ながら、SO齊藤選手、FB荒牧選手の効果的なキックでエリアを獲得し、敵陣奥深くまで攻め込むものの、強固なトヨタディフェンスを崩せず、なかなかトライを奪えません。また、ヴォルテクスもトヨタの激しい攻撃に対し、体を張ったディフェンスで堅守し、一進一退の攻防が続きます。 試合が動いたのは前半24分。トヨタラインアウトのオーバーボールに反応し、走り込んできたヴォルテクスFL松本選手、ほぼ同じタイミングで走り込んできたトヨタSOブレット選手。跳ねたボールは不運にもブレット選手の懐へ。スピードに乗ったブレット選手を止めることができず、そのまま走られトライを許します。ゴール失敗0−12。 なんとか前半のうちに取り返したいヴォルテクスは果敢に攻めチャンスを作るものの、ミスとペナルティでトライを奪えず、0−12のまま前半を折り返します。
後半になって流れを変えたいヴォルテクスは、後半開始からCTBスウィーニー選手を投入。しかし、後半1分、キックカウンターから左に右に展開され攻め込まれると、タックルをされながらもパスを繋いでくるトヨタの攻撃を止めることができず、ノーホイッスルトライを奪われます。0−19と点差を突き放され、トヨタの背中が遠くなります。 ここでヴォルテクスはFL吉上選手、bWルアマヌ選手を投入。すると後半7分、入ったばかりのFL吉上選手がラックサイドから狙いすまし、相手のキックをチャージ! そのままインゴールに飛び込みトライ!一瞬入ったかと思われたゴールキックはポストに嫌われ、5−19。このトライを皮切りに勢いに乗るヴォルテクスはFW・BK一体となって攻撃を仕掛けます。後半20分、フェーズを重ね徐々にトヨタ陣内に攻め込むと、22m付近のラックから出たボールに走りこんできたのはbWルアマヌ選手。トヨタディフェンスラインをパワーとスピードで突破し、中央にトライ! ゴールも成功し12−19と追い上げます。
後半30分、ヴォルテクスは敵陣で得たペナルティでPGを選択。距離はゴールから約35m、位置はほぼゴール正面、風は追い風。これをCTBスウィーニー選手が落ち着いて決め、15−19。その差は4点、1トライで逆転できる射程圏内に。
攻めるヴォルテクス、守るトヨタ。意地と意地のぶつかり合いを、固唾を飲んで見守る観客。 トヨタ陣内に幾度となく攻め込むも、トヨタディフェンスに阻まれ最後までトライを奪えず、会場にノーサイドの笛が鳴り響きました。試合終了後、健闘を称え、会場中からヴォルテクス選手に盛大な拍手が送られました。
会場に足を運んでいただき、選手たちに熱い声援を送っていただいた皆さま、本当にありがとうございました。次節は9月22日(土)、豊田スタジアムにて近鉄ライナーズと対戦します。引き続きご声援の程、よろしくお願いいたします。