リーダーたちが先陣を切ってチームを導き、身体と気持がぶつかりあった肉弾戦を制す
トップキュウシュウAリーグを同じく全勝で勝ち進んでいるマツダブルーズーマーズとの対決は、先制2トライを許す滑り出しにひやりとさせられるものの、リーダー陣が自ら前へ前へと仕掛けるプレーでチームを導き、結果的にはスコアに差をつけての勝利となりました! 試合の始まる頃には雨も徐々に上がってきていたものの、ボールも芝生も滑りやすいコンディションの中、前半が始まりました。ペナルティやミスで攻撃のリズムをつかめずにいた開始7分、ハーフウェイ付近でヴォルテクスのライン裏にキックされたボールを相手BKがキャッチしそのまま左端に走り込まれて先制点を許します。このトライをきっかけにマツダは勢いを増し、続く14分には敵陣で展開していたところをインターセプトされ、そのまま60mほどを走り抜けられて追加点を許します。まさかの展開に不穏な空気がヴォルテクススタンドを包みますが、相手のゴールキックを待つ数分の間にも選手たちは「あせるな、まずは落ち着こう」と声を掛け合います。そしてここから徐々にヴォルテクスらしい、激しさを伴ったプレーが見られるようになり、キャプテンFL松本選手、バイスキャプテンSO齊藤選手、そしてFBレイサム選手、LO吉上選手など、リーダーやベテラン選手たちが自ら前へ前へと仕掛け、ゲームの流れを呼び込みます。
21分、敵陣ゴールライン間際でのラインアウトのチャンス。ここでFWが圧倒的な力強さを見せ、そのままモールを押し込んで待望のトライ、選手たちにやっと笑顔が見られます。続く26分には敵陣でのスクラムを再びFWが押し込み、No.8端迫選手が抑え込んで追加点を得ます。 その後はマツダのNo.8にディフェンスラインを突破されヒヤリとする場面がありますが、これはFBレイサム選手のビッグタックルでタッチへと押し出し追加点を許しません。前半終了間際にはブレイクダウンでターンオーバーしFBレイサム選手からCTBスウィーニー選手へのスイッチパスが華麗にきまりトライ。19−14となんとか逆転して前半を終えます。
ハーフタイムにはヘッジャーHCから「慌てる必要はない、落ち着いてひとつひとつのプレーを確実に。ゲームのスピード、テンポも自分たちでコントロールしていこう」とアドバイスがされ後半がスタート。 後半開始直後、PR中村選手の正確なタックルで相手のノックオンを引き出しターンオーバー、そこからテンポよくフェーズを重ね、LO吉上選手が突破しスピードに乗ってFL松本選手がゴールラインを走り抜けます。 チームを後押しする「ファイトファイトキューデン!」のコールが会場を包み、13分には再びFL松本選手が今試合3本目のトライ。続く18分には敵陣5mライン付近でのラインアウトをFWが押し込んで得点を重ねていきます。
20分にはスピードのある走りでCTBスウィーニー選手がディフェンスラインを突破してキックしたボールをWTB吉永選手がキャッチして走り抜けてトライ!BK陣の計算されたコンビネーションプレーに観客席が沸きます。その後はフレッシュプレーヤーとして投入された選手たちがチームを勢いづけ、激しいブレイクダウンを繰り返しながら徐々に前進。No.8トム・マクベリー選手のタックルでボールを取り戻し、そこから左に展開してFB吉田選手が走り抜けてトライ。35分には敵陣でスペースのできた右サイドへパスをし、CTBスウィーニー選手がトライ。最後まで激しい肉弾戦が続いたものの、後半は失点を0点に抑えてノーサイドとなりました!
試合後、平田監督から「前半のような入りをしてしまうと40分を無駄にしてしまう。メンタルもフィジカルもまだまだ訓練が必要。チャレンジマッチまでまた鍛えなおそう」と話がされました。 そして今試合のMVP“マン・オブ・ザ・本気!!”には、スクラムをリードし試合の基盤を支えたPR中村選手と、自ら4トライを挙げ勝利に貢献したキャプテンFL松本選手が選ばれ、本気バッジが贈られました。 試合後の松本キャプテンの話「前半はミスもあり、思うようにゲームを進められなかった。後半はFWを中心にゲームをコントロールできて、自ら修正ができたところは良かった。この時期にこういう思い通りにならない試合ができたことはチームとしていい経験になった。ここから決勝リーグ、そしてトップリーグチームとの試合が続くが、ここで精神的にも強くなることができればトップチャレンジマッチではいい結果を残せると思う」 お足元の悪い中会場にお越しいただき、ご声援いただきましたファンのみなさま、ありがとうございました! 次戦は11月5日(土)に再びホーム香椎競技場にてJR九州サンダースとの試合を行います。引き続き応援をよろしくお願いいたします。