熱く、泥臭く、がむしゃらに。 ヴォルテクスの原点“TEAM COMES FIRST”に立ち返り、チームで闘い抜いた激闘80分!
2月12日(土)、ヤマハスタジアムにて行われたトップリーグ入替戦、ヤマハ発動機ジュビロとの試合。自分たちのプレーができなかったトップチャレンジの3戦から切り替え、目の前の試合に対してシンプルに、そしてチームの原点に立ち返って全選手、全スタッフが一丸となり挑んだ一戦。挑戦者の覚悟でチャレンジし続けた80分間は、両チームの勝利への執念、トップリーグへの執念がぶつかり合う“激闘”となりました!
時折、グラウンドに冷たい風が吹くぴりりとした気候の中、ヤマハのキックオフで前半がスタート。ヴォルテクスは序盤からキレのある思い切りの良いプレーでアグレッシブに攻めます。開始5分にはノットロールアウェイの反則を取られヤマハのペナルティゴールとなるも得点にはつながりません。その後、ディフェンスでもプレッシャーをかけ、ヤマハのミスを誘いターンオーバー、10分にはヤマハの反則でペナルティゴールを選択し、SO齊藤選手が確実に決め、待望の先制点を奪います。
続く中盤は自陣でのディフェンスの時間が続き、ヤマハの推進力のあるアタックにタックルをはじかれる場面があるも、コミュニケーションのとれた粘り強いチームディフェンスで突破を許しません。そんな中、反則の繰り返しによるイエローカードが出て、10分間14人でのプレーとなります。
18分にはラインアウトからのモールをそのまま押し込まれ、トライで失点。ヴォルテクスもフェーズを重ねながら敵陣で徐々に前進しゴールライン目前まで迫るも、隙のないヤマハのディフェンスラインを前にトライを奪えません。しかし、自陣でのスクラムやジャッカルでターンオーバーするなど、ディフェンス、アタック共に果敢に前に出てプレッシャーをかけ続けます。両者一歩も引かない攻防が繰り広げられていた34分、自陣でのキックチャージでターンオーバーされ、ブレイクダウンを重ねながら徐々に陣地を奪われ最後は左隅にトライ。その後は反則などでアタックを継続できないもどかしい時間が流れ、前半が終了します。
後半、序盤から勢いを見せるヴォルテクス、スタンドを埋め尽くすブルーのヤマハ応援団に少しも引けを取らないヴォルテクス応援団の「押せ押せ、キューデン!」の声が会場に響き渡り、その上に重なるようにスタンドで見守る選手たちからも途切れることのない熱を帯びた鼓舞激励の声がグラウンドで闘う選手たちを後押しし、会場全体がヴォルテクスに有利な流れを作り出していきます。12分にはペナルティゴールのチャンスを得るもこれは得点につながりません。一進一退の攻防が続く中、ヴォルテクスも一人一人が前に出る姿勢を示し続け、チャンスを狙います。
ゲームが動いたのは27分、敵陣でのマイボールスクラムからBKに展開し、スピードのあるパスワークでディフェンスラインを乱し、最後はCTBアトキンソン選手からSO齊藤選手にパスがつながり、そのまま走り込んで中央にトライ。GKも決め、スコアは10-12。残り13分、2点差。一層ヴォルテージの上がった緊迫した時間が流れる中、後半途中から出場したフレッシュプレーヤーたちがさらにチームに勢いを与えます。
その後はスクラムのやり直しが続いたのち、ヤマハのアタックでのミスからCTBアトキンソン選手がボールを奪いターンオーバー、何度も何度もブレイクダウンを重ねながら敵陣でのアタックを継続していたところでラストプレーを知らせるホーンが鳴り響きます。ヴォルテクスは逆転勝利を信じて、最後の最後まで攻め続けますが、ついにノーサイド。試合終了直後は僅差での敗退という結果にグラウンドに崩れ落ち、悔しさに顔を歪ませる選手たちでしたが、いっときも目が離せない激闘 を終えたメンバーに、観客席からは惜しみない拍手が送られました。
試合後に行われた記者会見で、郷田監督は「トップリーグに上がることを目標として、チームは強い気持ちで臨みました。今回は一発勝負ということで、80分、ディフェンスもアタックも攻め続けようという意識を持って準備してきました。結果的に敗れて非常に残念ですが、選手は最後までがんばってくれました」と述べ、松本ゲームキャプテンは、「トップチャレンジの3戦は勝たなければならないというプレッシャーでチームのやりたいことができなかった。その結果を受け、今試合はチャレンジャーとして、試合に挑みました。チームの持てる力を全部グラウンドに出し切ろうと臨み、持てる力を全部出し切ることはできた。結果的に敗れたが、チームがひとつとなり、チームとして大きな財産を得ることができたと思います」と語りました。
トップリーグ昇格という、チームの目標でありミッションを達成することができずにヴォルテクスの今シーズン最後の戦いが終わりました。しかし、トンプソンHCからも「ここ数年の中で一番、チームとしての一体感、そして勝利への執念を感じる一戦だった」と選手たちに話がされたように、あと一歩力は及ばなかったものの、チームが一年間の苦しいもがきの時期を乗り越え、今まさに大きく変化しようとしているその一筋の光が見える、チームのターニングポイントとなるような80分間となりました。 最後になりましたが、会場でチームを後押しする声援を送ってくださった応援団をはじめファンの皆さま、そしてヴォルテクスにとって長く苦しいシーズンの中でも、チームを支え、応援していただきました皆さまに感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。これからもヴォルテクスはチャレンジし続けます。今後ともご声援をよろしくお願いいたします!