チームの誇りをかけて挑んだ試合、パワーとスピードのあるNTTドコモのアタックを前に完敗 トップチャレンジ最終節は、すでに前節でトップリーグ自動昇格を決めたNTTドコモレッドハリケーンズとの一戦。勝敗に関係なく入替戦が決定しているヴォルテクスですが、チームの誇りをかけ、このままでは終われないという思いで挑みました。2週間後に控える入替戦に向け、調子を上げていくためにも手ごたえを掴みたい試合でしたが、勢いに乗ったNTTドコモのアタックを止めることができず、差をつけられての完敗となりました。
前半開始5分、ハーフウェイ付近でのブレイクダウンをターンオーバーされそのままオープンサイドへ展開、ディフェンスラインの隙を突かれライン際を走り込んだ選手に50mほどの独走を許してのトライを奪われます。切り替えて次のプレーに集中したいヴォルテクスでしたが、続く7分にはキックボールをキャッチされ、そのまま突破、再びあっさりとトライで失点。11分にはラインアウトからのモールを押され、そこからオープンサイドへ展開、スピードのある走りにまたしても抜き去られ左隅にトライを決められます。開始11分間の間に3トライ、それもディフェンスラインをあっさりと突破されての失点という厳しい立ち上がりとなります。
その後、じりじりとエリアを拡大し敵陣でプレーしているところをターンオーバーされ、ドコモのスピードのあるアタックにあっという間にゲインを許す場面が続き、パワーと推進力のあるドコモのアタックに、後手後手のディフェンスを余儀なくされます。ヴォルテクスもフェーズを重ね敵陣まで攻め入るチャンスが数回あるも、ここぞというときの反則で流れを引き寄せることができません。30分には自陣ゴールライン5mまで攻め込まれ、激しいブレイクダウンを繰り返す粘りのディフェンスで対抗します。前半試合終了間際にはディフェンスラインを突破したパワーのある走りを止められずにトライを許し、ハーフタイムとなります。
後半、もう一度ここから!とキレのあるアタックで積極的に攻めますが、再びスローフォワード、ノットリリースザボールなどの反則でアタックを継続できません。開始10分にはテンポよく攻め込んでいたところをブレイクダウンでターンオーバー、中央にトライを奪われます。続く13分、スクラムからオープンサイドへ展開していたところをパスカットされ、ビッグゲインを許しトライ。ドコモの大型FWを相手にセットプレーでも押され、ドコモのリズムの良いアタックに合わせてのプレーに、徐々に体力が奪われていく選手たち。
18分にはハーフウェイ付近でのキックをチャージされ、そのまま右サイドへ展開されトライ。どうにかしなくては、という思いが選手ひとりひとりからひしひしと伝わってくるもどかしい時間が流れる中、後半から投入されたフレッシュプレーヤーたちが勢いのあるプレーでチームを鼓舞し、21分にはCTBアトキンソン選手からのパスを受けたLO山下選手が力強い走りで大きくゲイン、そこから徐々に前進し最後はFLドハティ選手からのパスを受け、CTBアトキンソン選手が走り込み初トライを決めます。
ここから次につなげていこうと果敢に攻め込みながらチャンスを狙うヴォルテクス。何度か相手のディフェンスラインを突破する場面があるも次につなげられず、攻めきることができません。31分にはパワーのあるアタックに押されゴールラインを背負い、最後は右隅にトライされ失点。そしてついに長く長く感じられた80分間の終わりを告げるホーンが鳴り響きノーサイド。選手たちは悔しさと心身共の疲労でグラウンドに立ち尽くしました。
試合後に行われた記者会見で、郷田監督は「アウェイでの厳しい試合でしたが、たくさんの方に応援に来ていただいて感謝しています。入替戦に向けてブレイクダウン、コンタクト、そして戦術的な規律を立て直そうと挑んだ試合でしたが、このような結果となってしまいました。これから入替戦までの2週間で修正し、目標であるトップリーグ昇格に向け準備していきます」と述べ、松本ゲームキャプテンは「本試合の結果に関わらず、トップチャレンジマッチでの4位は確定していたが、自分たちのプライドのために戦おうと臨んだ試合。内容はただ、力が足りなかった」と話しました。
最後になりましたが、応援ツアーなど九州のみならず全国各地から会場にお越しいただき、最後までご声援を送り続けてくださったファンの皆さま、OBを中心とする応援団の皆さま、ありがとうございました。苦しい戦いが続いたトップチャレンジマッチも終わり、残すは勝っても負けても、泣いても笑っても今シーズン最後の80分となる入替戦にすべてをかけるのみです。引き続き皆さまの熱いご声援をよろしくお願いいたします!