前半終了時には4点差まで追い上げを見せるも後半になってじりじりと離され、悲願の勝ち星を逃す トップチャレンジマッチ第2節、キヤノンイーグルスとの試合が1月22日(土)、レベルファイブスタジアムで行われました。トップリーグ自動昇格を勝ち取るためにはもう負けられないヴォルテクス。一週間前に行われたホンダヒート戦で発揮しきれなかった正確で勢いのあるコンタクト、そして粘り強いプレーを取り戻そうと原点に立ち返り臨んだ一戦でしたが、前半の立ち上がりで流れを掴めず失点が続き、中盤には4点差にまで追い上げを見せるも前半のいい流れを後半につなぐことができず、後半もじりじりと点差を広げられる苦しい試合展開となりました。
今試合では白いセカンドジャージに身を包んだヴォルテクスの選手たちは、試合前からいつになく闘志が全面に出た気迫の表情でピッチに降り立ち、バックスタンドを埋めつくす多くのファンの方々の声援が選手たちを盛り上げます。キヤノンイーグルスのキックオフで始まった前半、ヴォルテクスは序盤から積極的に前に出るも、ペナルティが続きなかなかチャンスを活かせません。互いにチャンスを探っていた7分には、ラインアウトの反則から22mライン付近でのPGとなり、流れを掴むためにも物にしたかった先制点を相手に与えてしまいます。
その後はラインアウトでプレッシャーをかけターンオーバーする場面があるも、ボールをキープできず自陣でのプレーが続きます。14分には自陣22m付近でのラインアウトからスピードのあるパスワークでオープンサイドへ展開され、右隅へのトライを許します。続く17分にもハーフウェイ付近でのマイボールスクラムをターンオーバーされ、さらにラックから中央を突破、つながれてトライを許し、わずか10分ほどの間に17点を与えてしまう展開に。
なんとか巻き返しを図りたいヴォルテクスは22分、ブレイクダウンで相手の反則を誘い、敵陣ゴールライン際までエリアを拡大。マイボールラインアウトからのモールで、トライを決めたかに見えましたが再び仕切り直しのスクラムに。その後も両チーム反則が続き、再びラインアウトからのモールでFLドハティ選手が飛び込みトライを決めたかに見えましたが、これもトライと認められず。そして再びラインアウトとなり、そこからラインアウトモールを押し込んで今度こそトライかと思いきや、再びスクラムで仕切り直し。ゴールラインは目の前に見えていながらも、なかなかトライを奪えない粘りの時間が続きます。ついにはスクラムからNo.8川嵜拓生選手が持ち出しオープンサイドへ展開、激しいブレイクダウンを重ねながらボールを死守し、最後はCTBアトキンソン選手から左端へ走り込んだFB今村選手へロングパス、今村選手がタックルを振り切って悲願のトライを決めます! 会場には大歓声と共に「いけいけキューデン!」のコールが鳴り響き、チームを後押しします。
続く32分にもヴォルテクスは覚醒したかのようなアグレッシブでキレのある動きで敵陣までテンポの良いアタックで攻め込み、ラインアウトモールを押し込んでトライを奪います。36分には22mライン付近からSO齊藤選手がドロップゴールを決め3点を追加し、粘り強いアタックを続けていたところで前半終了となります。
前半のいい流れを継続し、後半一気に攻め込みたいヴォルテクス。後半の立ち上がりはキックの蹴り合いでエリア争いとなります。開始5分、ゴールライン際でのラインアウトのチャンスを与えてしまい、FWの粘りのブレイクダウンでなんとか持ちこたえ、キックでピンチを凌いだのもつかの間、再びラインアウトからのボールをオープンサイドへ展開されていたところを突破され、中央付近に痛恨のトライを許します。
その後はLO吉上選手がキックチャージをするなど攻めのディフェンスで対抗するも、ディフェンスラインの隙を突かれビッグゲインを許すなど、自陣でのプレーが徐々に長くなっていきます。11分には自陣右ラインアウトからのボールを持ち込まれ再びトライで失点。ヴォルテクスもブレイクダウンを重ねながら次のチャンスをうかがうも、突破できずに時間が過ぎてゆきます。
勢いのあるキヤノンのアタックを前に何度もライン際まで攻め込まれる苦しい時間が続くにつれ、選手たちに疲労が色濃くなっていきます。そんな中でも必死の反撃を見せるものの、トライまでつなげられません。自陣でのディフェンスが続いていた試合終了間際にはブレイクダウンでの反則を取られPGで失点。最後の力を振り絞るように挑み続けますが、無情にもここでノーサイドとなりました。
試合後に行われた記者会見で郷田監督は、「ホームであるレベルファイブスタジアムでの試合、たくさんの方に応援に来ていただき感謝しています。ホンダ戦でできなかったコンタクト、ブレイクダウンやタックルを修正して臨んだ一戦でしたが、前半、そして後半の最初のペナルティやミスで流れを掴めず、こういう結果となってしまった。次のチャンスも最後まで戦っていきたい」と述べました。また、ゲームキャプテンを務めた松本選手は「自動昇格を勝ち取るためには勝たないといけない試合としてチーム一丸となって臨んだが、自陣でのプレーが続いてしまった。入れ替え戦に回ってでも、チームみんなが昇格を信じてやまないチームだと自分は思っている。最後までがんばりたい」と語りました。
最後になりましたが、ホームであるレベルファイブスタジアムで大きなご声援をいただきましたたくさんのファンの皆さまをはじめ、OBを中心とする応援団の皆さま、九電グループ関係者の皆さま、また、九電商友会をはじめとするお取引先関係各社の皆さま、熱いご声援、本当にありがとうございました。残念ながらトップリーグ自動昇格の道は絶たれ、29日(土)のNTTドコモレッドハリケーンズとの試合の次には、入れ替え戦に回ることが決定したヴォルテクス。トップリーグ昇格のため、チームは最後まで勝利を信じ、昇格するために戦い続けます。引き続き、皆さまの変わらぬご声援をどうぞよろしくお願いいたします!