15人が一体となり、チームで挑み続けた80分間
青空の広がる秋の晴天のもと、昨シーズントップリーグで完敗を喫して以来の対戦となる強豪サントリーサンゴリアスとの試合が行われました。前半はトップリーグで活躍する選手たちを相手に粘りのプレーで食らいつき、数少ないチャンスをものにしてリードを奪うも、後半は点の取り合いとなり試合運びのうまさと個人技にやられる展開に。結果としては負けてしまいましたが、内容的には約1カ月前に行われたNTTドコモレッドハリケーンズ戦よりチームとして確実にステップアップした一戦となりました。
ゲームキャプテンの松本選手から「久しぶりの試合、はじめから当たっていこう」と声がかけられ、試合開始を告げるホイッスルが鳴り響きます。序盤から両チームともコミュニケーションが活発にとられ、気迫あふれるアグレッシブなプレーが続く中、ヴォルテクスもテンションの高いディフェンスでプレッシャーをかけ、相手にペースを握らせません。ゴールライン間際まで攻め込まれるピンチにも、粘り強いディフェンスで守りきります。
10分を過ぎたあたりからマイボールとなり、激しいブレイクダウンと精度の高いプレーで徐々に陣地を拡大したヴォルテクスでしたが、なかなか得点には結びつきません。その後は再びサントリーのキックでゴールライン際50cmまで詰め寄られモールとなるも、SO齊藤選手の絶妙なキックでピンチを回避します。グラウンドにはバチバチと体をぶつけ合う鈍い音が鳴り響き、ヴォルテクスにとってはディフェンスの時間が長い試合展開となりますが、集中力を切らさずチャンスを狙い続けた前半28分、自陣ゴール前5mでのサントリーボールラインアウトから右へ展開されたところをCTBアトキンソン選手が相手の隙をついてターンオーバーし、巧みなステップとボールコントロールでビッグゲイン、そこからSO齊藤選手を基点とした攻撃で左へ展開し、最後はFB吉田選手が念願の先制トライを決めます。
その後もサントリーの巻き返しを図るアグレッシブなアタックの中でも再びチャンスを狙い続け、前半終了間際に敵陣でのラインアウトから左へ展開されていたところでラックとなり、こぼれたボールをWTB末藤選手が拾い、スピードのある走りとキレのあるステップで突破し中央にトライ。SO齊藤選手がゴールキックを決め、12-0でハーフタイムに入ります。
ハーフタイムにはヘッジャーアシスタントコーチから「前半は我慢強いディフェンスがとてもよかった。後半も継続しよう。タックルは一人一人決まっているから後半も挑んでいこう」とアドバイスがされ、勝負の行方を決める後半が始まります。 後半開始直後、自陣ゴール前でのペナルティからクイックでゴール間際まで攻め込まれ右へ展開、あっという間にトライを奪われてしまいます。続く4分にもキックオフボールを奪われ、敵陣22m付近で突破されてそのまま走り抜けトライを決められ、後半開始すぐに12-14とひっくり返されてしまいます。その後、ゴールライン際まで攻め込むチャンスがあるものの得点には結びつかず、ヴォルテクスは再び我慢の時間が続きます。
続く13分、中央でのスクラムから右へ展開され、ディフェンスラインの隙を突かれて再びトライで失点。16分にもキックボールをキャッチされ、そこから徐々に陣地拡大を許し、右隅にトライを決められます。前半、運動量の多いディフェンスを続けてきた選手たちに疲労の色が見え始めたヴォルテクスですが、スクラムやラインアウトのセットプレーは後半になって精度を上げ、勢いのついたサントリーに対してなんとか持ちこたえます。
20分には敵陣ゴール前5mでの左ラインアウトから右へ展開し、ラックからFWが何度も仕掛け、最後はFL松本選手がトライ。しかし28分にはペナルティから右へ展開されてすぐにトライを奪いかえされます。34分、ディフェンスでもプレッシャーをかけ続けたヴォルテクスはペナルティから左へ展開し、CTB島選手が突破してトライ。残っている体力と集中力を絞り出して最後まで挑み続けたヴォルテクスでしたが、38分にはヒューワット選手にトライを奪われ、ここでノーサイドとなりました。
結果としては粘りのディフェンスの中で掴んだ前半のリードを後半開始直後に取り返され、最後には10点差をつけられての敗戦となってしまいましたが、最後まであきらめずにチームで戦い抜き、数少ないチャンスをトライまでつなげるなど、トップリーグのチームを相手に戦える自信を得たと共に、日頃の練習の成果が随所に現れる実りの多い試合となりました。 会場で声援を送ってくださったファンの方々に感謝の意を申し上げます。ありがとうございました。今後とも変わらぬご声援をよろしくお願いします!