2/14(土) 12:00 マツダブルーズーマーズ(レベルファイブスタジアム)

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キューデンヴォルテクス マツダブルーズーマーズ
31   10

チーム名   T G PG DG 小計 合計
キューデンヴォルテクス 前半 1 0 0 0 5 31
後半 4 3 0 0 26
マツダブルーズーマーズ 前半 0 0 0 0 0 10
後半 1 1 1 0 10



出場選手
1 中村 嘉宏 9 村上 龍寛 → 松添 健吉 (後半39分)
2 佐藤 孝樹 → 谷口 大督 (後半39分) 10 齊藤 玄樹
3 田尻 亮 → 松尾 健一 (後半30分) 11 山口 雄一
4 浦 真人 → 端迫 雅俊 (後半32分) 12 ナイサン グレイ → ティム アトキンソン (後半23分)
5 ルーク ドハティ → トム マクベリー (後半8分) 13 黒木 孝太
6 松本 允 14 吉永 将宏
7 吉上 耕平 15 今村 圭吾 → 前田 健介 (後半39分)
8 川嵜 拓生    

レポート

接戦から獲得した勝利でトップリーグ残留決定!!

 2月14日(土)、レベルファイブスタジアムにて、トップリーグ入替戦、マツダブルーズーマーズとの試合が行われました。
  トップリーグ最終節を終え、約1カ月。この入替戦での勝利が残留の絶対条件となるヴォルテクスは、マツダ戦に向けて万全の状態で挑めるように調整をしてきました。
  マツダブルーズーマーズは、トップキュウシュウリーグ時代にライバルとして共に闘い成長してきた良きライバルチームです。それだけに、マツダも勝利への執念を見せ、トップリーグ昇格を懸けて挑んできます。
  その闘志に負けず、また、ヴォルテクスが来季に繋がるような試合を繰り広げられるよう意気込んで臨みました。




 この日の福岡の気温は、18℃とそこまで高くないものの、午前中から日が照り続け、日差しによる暑さを感じる気候です。
  CTBグレイ選手のキックオフで始まった試合は、開始直後からヴォルテクスにチャンスが訪れます。自陣から積極的に展開、SO齊藤選手にボールがまわると、齊藤選手が空いたスペースを突き3、4人の相手ディフェンスを抜き去ると、一気に敵陣まで走り込み、トライの予感がよぎりますが、惜しくもパスミスでチャンスを失ってしまいます。その後も良い形で攻め込むものの、ミスでトライへ繋ぐことができません。このミスで一気に歯車が狂い始めたヴォルテクスは思うように試合をリードすることができない上に、マツダの果敢な攻撃と低く足元に突き刺さる激しいディフェンスに苦しみ、一進一退の攻防を余儀なくされます。




 試合が動いたのは、前半22分。敵陣まで攻め込んだヴォルテクスが、ゴール前ペナルティからスクラムを選択すると、スクラムからNo.8川嵜選手、WTB吉永選手へと繋ぎ、先制トライを奪います。
  このトライで一気に勢いづくかと思われましたが、アタック、ディフェンス共に激しさがいま一歩足りないヴォルテクスは、逆に攻め込まれ、26分、29分とマツダにペナルティゴールのチャンスを与えてしまいます。マツダはこのチャンスを生かせず、5対0とロースコアのまま前半を折り返します。




 自分たちのプレーが40分間通してできていないことに苛立ちや焦りが出始めているヴォルテクスは、ロッカールームでも静まりかえっていました。“こんなはずじゃない。もっと激しく、もっとしっかりしないと”とメンバー全員が自分自身に言い聞かせているような雰囲気でした。
  ハーフタイムで気持ちを切り替え、後半は出だしから圧倒しようと後半に挑みます。しかし、思った以上の暑さ、個々の焦り、プレッシャーが、メンバーの動きを鈍くし、連携の悪さを目立たせてしまいます。




 8分、マツダにゴール前まで攻め込まれると、反則を犯してしまい、ペナルティゴールを決められます。
  さらに、16、17分にもペナルティゴールを狙われてしまいます。この頃になるとあまりにハラハラドキドキの展開に、小さなミス、小さなチャンスに一喜一憂する緊迫した様子が観客席にも見受けられました。
  救いにも、ペナルティゴールは2本とも外れ、5対3から点数が動きません。
  21分、ようやくヴォルテクスらしいプレーでWTB吉永選手が本日2本目となるトライを奪います。連続攻撃からCTBグレイ選手、FLマクベリー選手、LO浦選手と繋ぐと、浦選手が縦に突っ込み、ラックから吉永選手がボールを持ち出し、そのままゴールラインへと走り込んで決めたものです。
  このトライにヴォルテクスらしさが現れたことから、ここから一気に加速してくれると誰もが思った直後の25分。敵陣に攻め込んでいたヴォルテクスがパスをテンポよく繋いでいると、飛ばしパスをマツダのWTB脇坂選手に狙われ、そのままインターセプト。70m程の独走トライを許し、10対10の同点となります。
  この瞬間、トップリーグからの降格という2文字が頭をよぎります。どうすれば、この悪い流れから脱却できるのか…、勝利をものにできるのか…。
  フィールドに立つ15人は意思統一を図り、残る15分に全てを懸けます。




 流れを変えたのは、30分。連続攻撃で敵陣に攻め込むと左22m付近のラックから右に展開し、再びラックを形成すると、そのラックからボールを拾い上げたFL松本選手がラックサイドの隙を突いてディフェンスラインを突破しそのままトライを奪います。
  このトライからリズムに乗り始めたヴォルテクスは、37分にゴール前スクラムからスクラムトライを狙い続けると、マツダの反則が繰り返され、認定トライとなります。
  試合終了間際の40分には、ラックからFLマクベリー選手、CTBアトキンソン選手、CTB黒木選手へとボールを繋ぎ、黒木選手は相手のタックルを受けながらも巧みなボディバランスでトライを決めます。
  このトライで試合終了となり、終わってみれば31対10。接戦からやっとの思いで勝ち取ったトップリーグ残留です。この試合を振り返ると、ラグビーとはメンタル面やちょっとしたミス、チャンスで一気に流れが変わるもので、改めて、ラグビーの怖さを感じ、そのことはある意味、ラグビーの面白さでもあると感じました。
 試合終了後の記者会見。神田監督は、「何とか勝って残留を決めることができました。マツダさんの気迫に終始押されっぱなしでしたが、我慢強く、勝利を信じて戦った結果だと思います」と話し、中村主将は、「ファンの皆さまにはトップリーグ13試合に加え、入替戦まで応援し続けていただきありがとうございます。来季もトップリーグで戦えることを非常に嬉しく思います。来季は、今季以上の成績を挙げたいです」と二人共、トップリーグ残留にほっとした表情を見せました。
 なお、この記者会見の際、7年間という長期にわたりヴォルテクスを率いた神田監督より退任の発表がありました。次のヴォルテクス監督は、郷田正BKアシスタントコーチです。
  次のコメントは、神田監督が試合後、選手・スタッフに向けて送った言葉です。
  「来シーズンもトップリーグの舞台で戦えます。最後は残留という良い形で締めくくることができました。7年間、みんなのおかげでやってこられたし、みんなの力でチームができていると思っています。トップリーグで戦うだけの土台はできているから、もっとステップアップして頑張っていってほしいです」

 最後になりますが、会場まで大変多くのファンの皆さまに足を運んでいただきありがとうございました。マツダの激しいタックルもあり緊迫した試合展開でひやひやさせてしまいましたが、皆さまのご声援に助けられました。ファンの皆さま、ならびにOBを中心とする応援団の皆さま、九電グループ関係者の皆さま、また九電商友会をはじめとするお取引関係各社の皆さまに心から御礼申し上げます。

 来年度もトップリーグの舞台で戦いますので、引き続き、キューデンヴォルテクスのご声援をよろしくお願いいたします。


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