10月26日(日) 14:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(レベルファイブスタジアム)

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キューデンヴォルテクス トヨタ自動車ヴェルブリッツ
26   24

チーム名   T G PG DG 小計 合計
キューデンヴォルテクス 前半 1 1 1 0 10 26
後半 1 1 3 0 16
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 前半 1 1 0 1 10 24
後半 2 2 0 0 14



出場選手
1 中村 嘉宏 9 村上 龍寛
2 谷口 大督 → 佐藤 孝樹(後半36分) 10 齊藤 玄樹
3 田尻  亮 11 山口 雄一
4 吉上 耕平 12 ナイサン グレイ
5 ルーク ドハティ 13 黒木 孝太
6 松本 允 14 吉永 将宏
7 トム マクベリー 15 今村 圭吾
8 川嵜 拓生    

レポート

雪辱を晴らし、念願の初勝利!!

 10月26日(日)、レベルファイブスタジアムにて、トヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合が行われました。
 開幕から5連敗を喫し窮地に立たされているヴォルテクスは、前半戦最後となるこの試合で、必至の勝利を掛けた大事な一戦を迎えました。この試合の相手は、昨年接戦の末に5点差で惜敗し、悔し涙を飲んだトヨタ自動車ヴェルブリッツですが、シーズンを終えた時にはトップ4入りを果たし、プレーオフに進出したほどの強豪チームです。
 後がないヴォルテクスは、IBM戦まで5試合の反省を生かし、そして、ここから這い上がる自分たちを信じてこの試合に臨みました。

 2、3日前から一気に冷え込んだ福岡は、試合当日の朝も雨が降り、会場は冬の気配を感じさせる寒さがあります。前半のキックオフはヴォルテクス。先制点で流れを一気に引き込もうと、15人全員で相手陣地に攻め込みます。
 開始10分、激しいアタックが功を奏し、先制点のチャンスが訪れます。敵陣での相手ペナルティからゴールを選択し、SO齊藤選手が狙います。このゴールキックを確実に決め、先制点を奪います。
 一気に波に乗ったヴォルテクスは、その後の15分に敵陣へ攻め込むと、スクラムからNO.8川嵜選手、CTBグレイ選手と繋ぎラックを形成します。そこからLOドハティ選手が縦にゲインし、再びラックからSO齊藤選手へボールが渡ると、順目には繋がず、一番右サイドを走り込んできたWTB吉永選手へ大きく絶妙なパスを繋いでトライを決めます。10対0とリードし、流れをヴォルテクスのものにします。





 強豪のトヨタも負けてはおらず、19分、自陣22m付近のスクラムから右に展開されると、最後にCTBレアウェレ選手にボールが渡り、スピードあるランニングでディフェンスラインを抜かれ得点を許します。
 リードしたまま後半に繋げたいヴォルテクスでしたが、31分に自陣に攻め込まれると、ディフェンスラインに気を取られた隙を突かれ、ドロップゴールを決められてしまいます。10対10の同点となり、振り出しに戻されてしまいます。
残る10分間、互いに追加点を奪うため、攻防を繰り返す必死の試合展開となりますが、追加点は奪えぬまま、10対10で前半を折り返します。





 後半、前半と同じように出だしから流れを掴んで攻め込みたいヴォルテクス。開始1分、その言葉通りに見事なアタックを繰り広げます。自陣に攻め込まれていたヴォルテクスですが、ディフェンスの反応の良さからグレイ選手がターンオーバーし、SO齊藤選手、FL松本選手にボールが渡ると、松本選手が抜け出し絶妙なタイミングでFLマクベリー選手に繋ぎます。マクベリー選手の横へ“待ってました”と言わんばかりの様子で吉上選手が走り込みボールを受けると、そのまま40mほど独走態勢となりゴール中央付近にトライを奪います。
 またも流れを引き込んだヴォルテクスは、6分に焦り出した相手ディフェンスの反則からペナルティゴールを狙い、この試合絶好調のSO齊藤選手がゴールを決め、20対10と再びリードを広げます。




 ヴォルテクスの猛攻は留まらず、11分にも敵陣での反則からペナルティゴールを選択します。ただし、今回の距離は40m程あるであろうという長い距離。観客もヴォルテクスのメンバーも息をのみ、成功を祈り続けたその結果は…、きれいな弧を描いた見事なキックで、確実に追加点を重ねていきます。
 しかし、その直後から微妙なズレが生じ始めたヴォルテクスに反則が目立ち始めます。その小さな狂いを見逃さないトヨタは、華麗なバックス陣を絡めたアタックでジリジリと攻め込んできます。21分には、トヨタの猛攻に対してしぶとく激しいディフェンスで挑み、相手の反則を誘いだしてピンチを凌ぎます。
 しかし、23分、連続攻撃で自陣に攻め込まれると、ディフェンスラインの隙を突かれ、SO黒宮選手にトライを奪われます。

 このトライに気を引き締め直したヴォルテクスメンバーは、29分に連続攻撃から敵陣に攻め込み、ペナルティゴールのチャンスを得ます。このゴールを決めれば、トヨタが1トライ1ゴール決めても追いつかない点差に広げることができるという大事なゴールです。
 これを本日ゴール成功率100%のSO齊藤選手が丁寧に決め、26対17と9点差にします。
 ここまで果敢に攻め込み、必死のディフェンスを続けてきたヴォルテクスですが、後半10分を残して交替もせずに走り続けた故の疲れが見え始めます。一方、トヨタはメンバー交替で群を抜く速さを見せるWTBライダー選手を投入し、さらなる攻撃を仕掛けてきます。
 攻め込まれるヴォルテクスに追い打ちをかけるように、32分、自陣でのディフェンスの際に反則を犯したFL松本選手がシンビンを受け一時退場。トヨタは、この反則からペナルティゴールを狙ってきます。成功する確率が高いと誰もが思った位置からのゴールキック。
 この日は、神様が味方してくれたのでしょうか…。惜しくもバーに当たって外れ、大ピンチの場面を逃れます。
 ところが、試合終了まで14人での戦いとなるヴォルテクスは、時間が経過するほど動きが鈍くなり、自陣でのディフェンスが続く中、35分、連続攻撃からヴォルテクスの恐れていたWTBライダー選手にステップと俊足ですり抜けられ、トライを奪われてしまいます。


 点差は2点。残り時間は4分。猛攻を続けるトヨタ。負けたくないという精神だけで守り続けるヴォルテクス。反則は絶対にできない状況の中、ヴォルテクスのメンバーは絶体絶命のピンチのまま40分を迎えてしまいます。
 逃げきるのか!?逆転を許してしまうのか!?ハラハラ、ドキドキの展開で、「勝利」を祈り続けるファンの方々や試合に出ていないメンバー。試合の終わりを知らせるホーンが鳴り響くも、トヨタのアタックが継続される中、14人でこのプレー一つのために死にもの狂いで粘りのディフェンスを見せます。最後はゴール前5m付近のところで、ヴォルテクスが相手をノットリリースザボールに持ち込むナイスディフェンスで、26対24、見事金星を挙げ、非常に嬉しい今シーズン初勝利を得ました。





 試合終了後の記者会見に満面の笑みで出席した神田監督。「ゲームプラン通りの試合展開で勝つことができました。IBMさんに敗れ、自分たちが昨シーズンできていて、今シーズンできていない部分を修正して臨んだ結果が勝利に繋がったと思います。ディフェンスでは我慢強くプレーし続けたところが良かったです。」と振り返り、主将になって初の勝利を得た中村主将は、「多くのファンの方々の声援による後押しがあり、地元福岡で一勝を挙げること出来て良かったです。やるべきことを明確にし、それを忠実に行えたことが良かったです。」と素直な気持ちを言葉にしました。



 また、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたCTBナイサン・グレイ選手は、「FWメンバーのラインアウト、スクラムなどセットプレーで完全に支配できたことは、FWメンバーが頑張ったお陰です。メンバー全員が、100%以上の力を出して臨めた結果だと思います。」と話しました。

 最後になりましたが、会場にお越しくださいました大変多くのファンの皆さまをはじめ、OBを中心とする応援団の皆さま、九電グループ関係者の皆さま、また九電商友会をはじめとするお取引関係各社の皆さま、熱く大きなご声援をありがとうございました。皆さまと一緒に分かち合える勝利の喜びを改めて感じられる試合でした。心に響くご声援をいただき、心から御礼申し上げます。

 これから、約1ヵ月間のウインドマンスを挟み、11月末から後半戦が開始されます。
 第7節は、11月30日(日)長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場にて行われる神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦です。ヴォルテクスの快進撃を願い、引き続き温かいご声援をよろしくお願いいたします。


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