プライドの激突! 死闘を制しトップリーグ4勝目! 残留確定まで残り1勝!
1月26日(土)、秩父宮ラグビー場で、30年以上の長きにわたり定期戦を繰り返してきた相手、リコーブラックラムズとの一戦が行われました。
キューデンヴォルテクスは現時点で12位、リコーブラックラムズは13位と両チームともにトップリーグ残留には厳しい状況。その大事な試合に秩父宮ラグビー場には、アウェイとは思えないほどの大勢のファンの方々がご来場し、場内には4500人もの観客。両チーム、また両チームの応援団ともに一歩も譲れないプライドをかけた熱く激しい試合展開となりました。
試合前のトスに勝ち前半は風下を選択、リコーのキックオフで試合が開始されました。ヴォルテクスは開始から果敢にリコー陣内に攻め込みます。しかし、リコーの激しいディフェンスの前にゴールラインを割れません。逆にリコーの反撃により10分以上ヴォルテクスは自陣でのプレーを強いられます。
試合が動いたのは13分、リコーは連続攻撃からボールを継続し右に展開すると、スピードとパワーを持ち合わせたCTB金澤選手に抜け出され、先制トライを奪われます。
IBM戦を思い出させるかのような嫌な雰囲気。しかしこの日のヴォルテクスフィフティーンは、その直後からスイッチが入り、気持ちのこもった波状攻撃が始まります。グレイ選手を筆頭に、SO齊藤選手、また17分から黒木選手に変わり出場したCTB山口選手が縦に切れ込み大きくゲインすると、ラックではFWが献身的にサポート、そこからSH村上選手がボールを出し、再び展開。この連続攻撃を幾度となく繰り返し、ヴォルテクスはチャンスを得ます。
22分、相手の反則からペナルティゴールを選択し、これをミラー選手が確実に決め、3対7と詰め寄ります。
この後も激しいアタックで攻め続けますが、リコーの激しいディフェンスの前に、ミスが出たり、ペナルティを犯し、なかなかトライに結びつけることが出来ません。
前半も30分を経過した頃、キューデンヴォルテクスにビッグチャンスが訪れます。敵陣ゴール前5mでのラインアウトからモールを押し込みますがモールが崩れ展開へと転じます。3次攻撃でラックからSH村上選手がCTBグレイ選手へパスを繋ぎ、それをグレイ選手がキックダミーから華麗なステップで切れ込み、リコーFWを力強いハンドオフで退けると、そのままトライを奪います。グレイ選手のワールドクラスのプレーで8対7と逆転に成功し、流れは完全にキューデンヴォルテクス。
この良い流れから追加のトライを奪いたいところでしたが、39分、ヴォルテクスは痛恨の反則を犯し、リコーにペナルティゴールを決められ、8対10と再び逆転され前半を折り返します。
後半の最初が肝心と、キックオフ直後から攻め続けるヴォルテクスは、7分、敵陣に攻め込み、連続攻撃からSO齊藤選手がリコーバックスラインのギャップをついてCTBグレイ選手へ芸術的なパスを繋ぐと、またもグレイ選手が大きくゲイン。ゴール前5m付近まで持ち込みリコーディフェンダーに捕まると、誰も真似の出来ない、信じられない体勢からパスを放りFBミラー選手がギリギリでキャッチ、そのまま右隅にトライを奪います。
10対13となったものの、まだ油断を許せない状況。勝利の神様はヴォルテクスに試練を与え続け、後半の20分、今度は、この試合最大のピンチを迎えます。20分に前半から何度も注意を受けていたノットロールアウェイの反則をとられ、ディフェンスの要、FL松本選手がシンビンを受けます。10分間14人での戦いを強いられる中、このタイミングでリコーはアタックセンス抜群の外国人、ロコツイ選手を投入します。
是が非でもゴールラインを死守したいヴォルテクスですが、22分に連続攻撃からリコーのSO河野選手から中央を突破されトライを奪われます。17対13。
15人同士での戦いに戻ったものの、既に後半30分が経過。敗北という最悪な2文字が頭を過ります。
それでもフィールドに立つ15人の戦士に、バックスタンドを埋め尽くすファンを始めスタンドから見守る選手たちも、逆転トライを信じ大声援を送り続けます。
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その大声援に後押しされるかのごとく33分、連続攻撃のラックからCTB山口選手がわずかな隙間を走りぬけリコーバックスラインの裏に出ると、二人の相手ディフェンダーを引きつけ絶妙のタイミングでヴォルテクス一快速のWTB吉永選手へパス、吉永選手はサイドライン擦れ擦れのところを持ち前のスピードで走り抜けトライを奪います。ゴール成功し、20対17。
残り6分、全員で集中力を切らすことなくリコーのアタックからゴールを守りきり、最後はグレイ選手のキックでタッチを切り、歓喜溢れるノーサイドを迎えました。 |
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試合終了後、神田監督、吉上選手は試合を次のように振り返りました。
神田監督:
「まずキューデンヴォルテクスが現在トップリーグにいるのは、(我々が下部リーグにいたころから定期戦をして頂いた)リコーさんのおかげです。しかし今日の試合、お互い譲れない試合でしたので、勝利出来たことを素直に喜びたいと思います。
試合前、ペナルティに気をつけ、テリトリーを取るように選手に話をしていましたが、前半の最初は、ペナルティを犯しテリトリーを取れず、苦戦しました。
次のクボタ戦に勝利すれば、目標の「5勝」を達成できます。気を引き締めて、自力での残留を決めたいと思います。」 |
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吉上ゲームキャプテン:
「互いに負けられない試合でしたので、激しい試合になることはわかっていました。この1週間、気迫と集中力を80分続けていこうと練習で言い続け、試合前にも話をしました。それが出来たことが勝因だと思います。また、リコーさんはモールが上手いので、モール対策を十分に行い、モールで1本も取られなかったことも勝因の一つだと思います。そしてなにより秩父宮をホームに変えてくれた大応援団の声援が、最大の勝因だと思います。」 |
最後になりましたが、遠路はるばる東京までお越しいただきましたファンの皆さまをはじめ、OBを中心とする応援団の皆さま、並びに東京支社関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。試合中、アウェイであることを忘れさせるほどの大声援に選手、スタッフ共々、何度も胸が熱くなりました。試合終了後、バックスタンドはスタンディングオベーションで選手を迎え、拍手と万歳の嵐。本当にありがとうございました。
次は、トップリーグ最終戦、2月3日(日)、花園ラグビー場にて行われますクボタスピアーズとの一戦です。
目標の5勝を達成するためにも、皆さまの盛大なご声援をよろしくお願いいたします。
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