11月17日(土)、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムにて、トップリーグ第4節、トヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合が行われました。 昨年の日本選手権、14対64とトップリーグのレベルを肌で感じ、その差を埋めるために取り組んだこの9ヶ月間で、50点の差はどれだけ縮めることが出来たか、キューデンヴォルテクスの進化が問われる重要な一戦が始まりました。
秋晴れの空の下、前半は風下に陣地を取り、キューデンヴォルテクスのキックオフで試合は開始されました。 試合開始早々の2分、トヨタの素早い連続攻撃から先制トライを奪われます。 昨年の日本選手権同様、開始早々の波状攻撃を止めることが出来ず、一瞬嫌な雰囲気が漂いますが、12分、キューデンヴォルテクスは連続攻撃で大きくトヨタ陣内に攻め込み、トヨタ陣22m付近のラックからSH村上選手が素早くCTBグレイ選手へボールを渡すと、グレイ選手はトヨタゴール前まで大きく切れ込み、タックルを受けながら芸術的なパスを放り、それを受けたWTB山口選手がサイドラインぎりぎりのところを持ち込んでトライを奪い、5対7とします。 しかし、この試合の風は思っている以上に強く、トヨタ自動車の激しいアタックも重なり、なかなか敵陣にボールを運び込むことができません。逆に21分、26分と連続でトライを奪われ、5対19と突き放されます。 更に前半終了間際の40分にはキューデンヴォルテクスの反則からペナルティゴールを決められ、5対22で前半を終えます。
後半は風上へと立場が変わり、鳴門の風を背に受けキューデンヴォルテクスの反撃が始まります。 3分、スクラムからNO.8川嵜主将、SH村上選手へとボールが渡ると、内側から勢いよく走り込んできた松本選手へ絶妙なパスが繋がりトライを奪います。ゴールも成功し12対22となります。 その後も風を味方にし、果敢に攻め込むキューデンヴォルテクスは18分、ラインアウトからモールを形成、重量FWのトヨタに真っ向勝負を挑みます。一度止まりかけたモールは、強力応援団の声援に後押しされ再び勢いよく動き出し、最後はHO谷口選手がインゴールに持ち込んで自身トップリーグ初トライを決めます。このゴール、右隅の非常に難しい位置ではあったものの、CTB吉岡副将が成功させ、19対22とトヨタを追い上げます。
その直後の22分、固いディフェンスで守り続けていたキューデンヴォルテクスですが、トヨタに力を見せつけられ、パワーとスピードでトライを奪われ19対27となります。 負けるわけにはいかないキューデンヴォルテクスは、27分に相手のペナルティからゴールを選択。ゴールを成功させ、22対27、1トライ差まで詰め寄ります。 残り時間10分、1トライを奪いに全員でアタックし続けますが、日本一を狙うトヨタの意地とも思える固いディフェンスを破ることができず、逆転勝利という願いは叶わぬままノーサイドのホイッスルがスタジアムに鳴り響きました。
今年2月、日本選手権でトヨタに惨敗を喫したキューデンヴォルテクス。 僅か9ヶ月間でその差を見事に縮めたことはキューデンヴォルテクスの成長の証です。 しかし、トップリーグは勝負の世界。勝ち点1を得ることができたものの、勝利という 二文字にもっとこだわらなければならないと改めて感じさせられた試合でもありました。 12月に入ると、東芝ブレイブルーパス、サントリーサンゴリアスと強豪チームとの試合が続きます。試合後トンプソンコーチは、「(トップチームとの接戦で満足することなく)東芝、サントリー戦は勝負に拘って勝ちに行くぞ!」と選手たちに話しました。
この日も九州からは勿論、全国各地からお越しいただきました多くのファンの皆さまをはじめ、毎度熱い声援の中心となっている応援団、ならびに四国電力関係者の皆さまの盛大なご声援に感謝申し上げます。 次節は12月2日(日)鴨池陸上競技場(鹿児島市)で、昨年度三冠の王者東芝ブレイブルーパス戦が行われます。桜島の麓で、ヴォルテクスが大暴れします!