11月10日(土)、盛岡南公園球技場(岩手)にて、トップリーグ第3節、NECグリーンロケッツとの試合が行われました。
九州より気温が10℃近く低い東北地方。しかし、前日の天気予報の心配とは打って変わり、時折太陽の光が差し込むグラウンドでの試合となりました。 前節の神戸製鋼戦、僅か2点差で敗れた悔しさから、「今日は勝って九州へ戻ろう」と意気込む選手たち。前半は太陽の光が選手を後押しするかのようなゲーム展開となりました。
先手を打ったのはキューデンヴォルテクス。前半8分、ビルドアップして先週の神戸戦からスタメンの座を獲得した絶好調山口選手が、NECの選手に競り勝ちトライを奪います。 得点ランキング2位につける決定力抜群のゴールキッカー吉岡選手が確実に決め、7対0とします。
12分にNECグリーンロケッツ安藤選手にPGを奪われますが、その直後の14分、キューデンヴォルテクスは、敵陣22mラックから展開後、SO齊藤選手からNO.8川嵜主将へと繋ぐと、そこへ走り込んできたグレイ選手へ絶妙なパスが渡り、グレイ選手がそのままゴールポスト付近にトライを決めます。ゴール成功し、14対3。 波に乗ったキューデンヴォルテクスは、18分には、相手のペナルティからゴールを選択し、相手を突き放します。17対3。
このままキューデンヴォルテクスの攻撃が続くと思われましたが、NECグリーンロケッツもこのまま黙っているわけではありません。20分にモールを押し込まれトライを奪われます。ここからキューデンヴォルテクスは必死のディフェンスでNECの激しいアタックを阻止し、36分にペナルティゴールを奪われるものの、17対13と勝ち越して前半を折り返します。
後半もこのままキューデンヴォルテクスペースで進めたいところですが、この日のキューデンヴォルテクスは、前節までと打って変わりブレイクダウン周辺の反則が多くリズムに乗り切れず、逆に後半7分、NECに展開されトライを奪われ逆転されると、12分には反則の繰り返しによりグレイ選手がシンビンをとられます。そこから14対15の戦い。NECの猛攻撃を阻止し続けることで、精一杯のキューデンヴォルテクスは、敵陣へボールを運びこむことができません。
グレイ選手がシンビンで退場した10分間、必死のディフェンスで追加点を与えずNECの波状攻撃を耐え抜きますが、26分にペナルティゴールを奪われると、勢いに乗ったNECの攻撃を止められず31分、35分とトライを奪われます。ディフェンス続きのヴォルテクスフィフティーンには疲れが見え始めます。
37分、ミラー選手が40m独走で相手ディフェンスを抜き去りトライを奪い、すぐさまボーナスポイントを得るあと1トライを奪うため必死の攻撃を続けますが、逆にダメ押しのペナルティゴールを奪われ、22対38でノーサイドを迎えました。
試合終了後、神田監督は、「ペナルティ(反則)が多すぎ、自分たちでリズムを崩してしまいました。」と話をし、川嵜主将は、「前半の入りは良い形でした。前半の中盤の嫌な流れを最後まで引きずってしまっての敗戦だと思います。」と試合を振り返りました。
神戸戦に続く悔しい惜敗、トップリーグでの勝利の厳しさを肌に感じる戦いでしたが、トップリーグ常連チームに圧力をかけるスクラム、鮮やかに奪い取るラインアウト、集散素早いブレクダウン、ボールを動かし続けるアタックと組織化された防御。そして何より日本全国どこにでも駆けつける熱き応援団。トップリーグ初参戦とは思えない戦いぶりとそのオリジナリティで確実にトップリーグでも存在感を示しだしたキューデンヴォルテクスの戦いに、これからもご注目下さい。 最後になりましたが、遠路はるばる九州からお越しくださいました多くのファンの皆さまをはじめ、OBを中心とする応援団、そして東北電力(株)と盛岡工業高校関係者の皆様、熱いご声援をありがとうございました。 (盛岡工業高校は平野コーチ兼選手の母校で、この夏グレイ選手がシドニーで合宿中の盛岡工業高校の選手を指導した縁で応援に来て頂けました。)
続く第4節は、11月17日(土)鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(徳島県)で行われます、相手は昨年度の日本選手権で戦ったトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦です。「打倒トヨタ」14対64で敗れた日から、目標としてきたチームにリベンジする時がやってきました! 皆さまの熱いご声援の程、よろしくお願いいたします。