九州電力
東芝府中ブレーブルーパス
東京ガス
昨年度三冠王、日本最強の東芝府中ブレーブルーパスとの定期戦が、東芝府中グラウンドで開催されました。心配された天気も問題なく、気温、グラウンドと最高のコンディションで行われました。
東芝府中は、トップリーグNo.1の破壊力を誇るバツベイ選手、攻守の要ホルテン選手を要する強力・重量FWと富岡主将率いるBKで、日本代表を除くベストメンバーで戦いに臨んでいただきました。対する九電は5人の新戦力(浦、ヒーニー、河原崎、齊藤、黒木)が出場。今年を占う意味で、公式戦さながらの準備を整えて試合に臨みました。
開始早々から九電が果敢にアタックを繰り返し、王者東芝ゴール前に攻め込むも、相手の激しいディフェンスでミスを犯し、逆に13分九電ゴール前ラインアウトから、トップリーグ最強のモール攻撃に重量FWが九電ゴールラインを割り先制のトライを奪われます。 続く22分にも同じくラインアウトからモールを押し込まれトライ。0対14と暗雲漂う前半戦となりました。 九電は30分に相手のキックをチャージしたこぼれ球を、SH村上選手から、フォローしたFWの大黒柱LO吉上選手へつなぎ、インゴールを陥れ反撃。37分にはヒーニーの猛タックルから生まれたチャンスを生かし、東芝22mで得たペナルティからグレイが素早く仕掛け、芸術的なパントをインゴールに上げ、自らキャッチしてトライし追い上げます。 しかし前半戦のインジャリータイムに、またしてもゴール前ラインアウトからモール攻撃でトライを奪われ12対21で前半を折り返しました。
ハーフタイムに神田監督より「要所でミスをして自滅している。キックで敵陣に入り、もっと勝負を仕掛けよう」という指示が出され、後半がスタートしました。 一進一退の攻防を破ったのはまたもナイサン・グレイ。7分に吉岡選手のキックが敵に当たったこぼれ球をキャッチすると、相手BK陣のディフェンスを一気に切り裂き20m独走のトライ。 11分に東芝の連続攻撃を耐え切れずトライを奪われますが、九電は18分、連続攻撃から新司令塔齊藤選手の絶妙なキックパスを、途中出場のFBミラー選手がキャッチしてそのままトライし2点差に喰らいつきます。 31分、四たび強力モールでトライを奪われると、九電の選手にも疲労の色が見え始め、善戦もここまでかと思いきや、勝利に執念を見せる頼れるスキッパー川嵜主将が、タッチ際をウイングと思わせるような素晴らしいスワーブで相手を抜き去り左隅にトライし、またも2点差。 残り5分間は手に汗握る攻防を繰り返し、逆転トライを狙うも痛恨のノックオン。直後のスクラムから東芝富岡主将にとどめのトライを奪われ31対38でノーサイドとなりました。
トライ数5本対6本。7点差ではありましたが、勝負どころでの集中力や敵陣に入ると必ず得点できる型をもつ東芝府中に一日の長を見る想いがしました。 しかしながら、東芝さんのなり振り構わず得意のモール攻撃でトライを奪う姿は、紛れもなく勝利にこだわったものであり、王者を本気モードにさせたことは、一歩一歩ではありながらも、確実に力をつけている印象があります。 また、終盤にリックを投入し更にスクラムを安定させるなど、外国人4名の戦力を戦術に合わせて起用する采配も今季は見所の一つと言えます。
なお、翌日の東京ガス戦は、前日のメンバーを入れ替え、いかに選手層が厚くなったかを図る意味でも重要な試合でした。 試合は前半ゴール前に攻め込んではミスからカウンターを受けトライを奪われることを繰り返し、0対24で折り返したものの、後半は7人制日本代表竹山選手の個人技と怪我から復帰したジャガー松本の好タックル連発で流れを呼び戻し反撃、逆転寸前まで相手を追い込みましたが、前半の失点が如何とも響き26対29で敗れました。
最後になりましたが、両日とも週末のお忙しい中、たくさんの皆さまに応援を頂きありがとうございました。 これからも成長を続ける九電ラグビーをお見せできるように頑張ります。